インフィニティサーフボード

CLOSE UP INTERVIEW

「 INFINITY 」

インタビュー開催日 2011年5月10日

インフィニティのデザイン、ライダー達の逸話についてオーナーに語ってもらいました。
ボードに企業秘密に当社河合が迫ります !?

スティーブボーン(インフィニティのオーナーシェイパー 以下スティーブ)
河合辰巳(サーフショップアラソアンのオーナー 以下河合)

河合 「ライダーのトミーリオイの調子がいいですね。カリフェルニアで開催されたほとんどのスタンドアップパドルのコンテストを優勝していますね。スタンドアップワールドツアーのタヒチではパトリスチャンジーが準優勝。 」

※2011年6月上旬にオーシャンサイドで開催されたRevolt SUP Series もトミーが優勝 サンタモニカのレースでは Alleana Clark が優勝 。

スティーブ 「そう、インフィニティにとってすごくいいニュースだね。SUPだけでなくショートのチームも頑張っている。カリフォルニアはロングのコンペティションがほとんどないんだ。トミーはショートからロング、SUPと全て乗っている。特に最近はSUPのウェイブとレースにとてもちからを入れています。パトリスはここ数年はタヒチに住んでいる。彼はグーフィーフッターだからタヒチにはぴったりだね。昔から誰よりもチューポの奥からSUPでテイクオフしていた。ボードメイキングにも積極的でよくサンクレメンテのファクトリーに来るよ。インフィニティのカーバーモデルは彼の意見を非常に多く取り入れています。」

河合「 トミーもパトリスも世界のトップクラスですね。私はサンオノフレで何回かトミーと一緒にセッションしました。圧倒的なパワーと技術に驚きました。あれだけのレベルは世界に何人もいない、サーフィンがうまいだけでなくボードの開発能力も非常に優れていますね。ボードデザインについて話をしたけどとても細かいことまでよく考えてテストしている。あのプロフェッショナルな姿勢には感心しました。そうそう、トミーとデイブボーン(スティーブの息子)が日本行きを熱望していますね。とても楽しみにしています。」

スティーブ 「インフィニティのカーバーTLはトミーのシグネチャーモデルで特別なセッティングが施してあります。特にサイドフィンの位置が後ろよりでトップターン時にスラッシュさせやすいようにしてあります。ロッカーも通常のカーバーモデルよりきつくなっていてマニューバーをより一層重要視しています。ふたりとも日本に行きたがっている。できればASPなどのコンペティションを絡めて行きたい。日本食は美味しいのでたくさん食べたいと言っています。」

河合 「サンクレメンテにあるインフィニティのファクトリーは素晴らしい。働くスタッフの技術はもちろんのこと、みんなサーフィンが好きで仕事が丁寧です。あなたも今年でシェイプ歴50年を超えますね。」

スティーブ 「私達のファクトリーはカリフォルニアでは最大で最高のグレードです。約15名ほどの従業員が働いていて、スタッフ達は皆サーファーでサーフィンをよく知っています。皆いい人たちだ、良いボードを創ろうと一生懸命になっている。休日には一緒にサーフィンする従業員も多くとても家族的な雰囲気で楽しくやっています。そうですね、もうシェイプをはじめて50年以上が経ちました、いまだロングボードとSUPは全て私がハンドシェイプで仕上げています。ショートボードは息子のデイブボーンが仕上げています。」

河合 「みんな日本食が好きですね。先日マザーズデイの記念にみんなで行ったラグーナビーチの寿司レストランは最高に美味しかったです。あれは本物の日本の味です。」

スティーブ 「カリフォルニアには美味しい日本食レストランがいくつかあります。また行きましょう。」

 

河合 「スティーブとバリー(スティーブの妻)のタンデムDVDを見ました。凄いですね、あなたはバリーを持ち上げてオーバーヘッドの波で深いボトムターンをしている。あんなこと出来るんですね。」

スティーブ「 ありがとう、長い間タンデムをやってきました。タンデムボードはふたり乗なので当然厚くて浮力があります。河合もパワーがあるから良いパートナーを見つければすぐにタンデムサーフできるよ、私が伝授します。私は多くのタンデムボードを削ってきたのでスタンドアップのデザインには直ぐに馴染めました。」

河合 「カリフォルニアでのスタンドアップの盛り上がりは素晴らしいですね。2010年に開催されたバトルオブザパドルは800人ほどの参加者があり、期間中の観客は一万人ほどと聞きました。私も参加しましたが、あんなに盛り上がっているとは・・・とても驚きました。」

スティーブ 「スタンドアップのレースはとても盛り上がっています。ウェイブのコンペティションよりも参加しやすいのでシーズン中は毎週どこかでレースが行われているぐらいです。日本でもレースが盛り上がるといいと思います。国際的な標準である12'6''は日本の住宅事情には合わないので10'6''ぐらいのレースボードで開催したらどうかと思います。」

河合 「確かに12'6''は日本の平均的な住宅には大きすぎますね。インフィニティでラインナップしているスレータートラウトモデルの10'6''がいいですね。このサイズで完全なレースボードのデザインになっている。」

スティーブ 「スレータートラウトは去年からチームライダーに加わりました。先月デイブとインドネシアのメンタワイにボートトリップに行きました。彼は素晴らしい可能性を持っています、レーサーとして非常に高いポテンシャルを持っているほか、サーフィンも素晴らしい。それにこれが最も大切ですが、まだ若いのに人間性が素晴らしい。近い将来バトルオブザパドルとスタンドアップワールドツアーで勝利することでしょう。」

河合 「確かまだ17か18歳でしたね。バトルオブザパドルではいつもトップクラスを競っている。波乗りも素晴らしいですね。スレータートラウトモデルの10'6''はノーズ付近のボトムにフィンボックスがひとつありますね。」

スティーブ 「この長さでさらに直進性を高めたい場合、このノーズ付近のボトムにフィンを装着します。そうすることで12'6''と同等の直進性になります。スレータートラウトは普段この10'6''でトレーニングしています。」

河合 「ロングボードのコンペティターモデルはボトムデザインが二種類ありますね。」

スティーブ 「体格がよく脚力がある欧米人用と、体格がそんなに大きくなく脚力もそんなに強くない日本人向けと二種類用意しています。

欧米人用は強めのシングルコンケーブがノーズからテールまで施されていて、レールを踏み込むのにパワーが必要ですが、踏み込めれば非常に加速します。

日本人向けはテールに Vee を施し、少ないパワーでも簡単にレールが入れられる様にデザインしました。」

 

河合 「私はインフィニティのLP(ロングボードのクラッシックモデル)がとても気に入っています。今回スペシャルオーダーした私用のLPに乗るのが楽しみです。ここでスペックをいうと、全長 9'8'' 最大幅 26 1/2 最大厚3 7/8 これは腹ばいのサーフィンもできるし、スタンドアップもできるという私のコンセプトを実現するためのボードです。ちょっと幅が狭めだけど全長が9'8''あるので立っているには問題ない。私は幅が必要以上にあるボードは好まないのでこのサイズでオーダーしました。今オーストラリアのシェイパーにオーダーしているスタンドアップもできるモアナフィッシュは幅が25''ですよ。こちらもすごく楽しみです。」

スティーブ 「河合はいろんなボードに乗るね。スタンドアップもサーフィンも河合のようにいろんな楽しみ方があるべきだと思う。サーフィンは楽しむものだから。」

河合 「次回は10'6''以上のガンをオーダーしようかと考えています。ちょっと最高速が落ちるけど幅を25''ぐらいにしてSUPもできるようにしたいです。腹ばいのサーフィンだけなら22''でいいけど、やっぱりSUPしたいです。よって25''のとんがったガン。クールですね!私はこのガンを日本の腰胸の波でも使いますよ。」

スティーブ 「素晴らしい、楽しみがたくさんあっていいね。ガンを小さな波でも使用してレールやボトムデザインがどのように機能するか知っておくことはとても大切です。」

河合 「10月にはバトルオブザパドル カリフォルニアに参加予定なので、専用のレースボードをオーダーします。かっとぶボードを削って欲しいです。そしてトミー達と寿司レストランも行きましょう!」

スティーブ 「任せておいてください。最速のボードを用意しておくよ!寿司レストランに河合が好きなTACOSURF(メキシカン)もまた行こう!」

河合 「最後に日本のサーファー達へメッセージを」

スティーブ 「本当に悲しい出来事があった後だけれど、日本人はとても強く冷静に対応していました。とても尊敬します。これからもサーフィンを楽しんでいってください、私達もボードづくりを通じて皆さんを応援しています。」

 

インタビュー開催日 2011年5月10日 スティーブ宅にて